まずは、「サイエンス」のサイト内記事の冒頭です。
http://sciencenow.sciencemag.org/cgi/content/full/2007/1128/2
記事の見出しは、
Signs of Lightning on Venus
で
金星(Venus)での(on)稲妻(Lightning)の(of)証拠(Signs)
と訳せます。
前置詞の訳し方は追々書いていきたいと思いますが、ここではまず、前置詞の働きとして、以下の3点を挙げておきます。
1.名詞の前に置かれる
2.名詞に副詞的あるいは形容詞的な役割を与える
3.動詞や形容詞とともに用いられ、動詞の意味を限定したりする
3番目で用いられる前置詞は副詞と分類されたりしています。
"of"は名詞と名詞をくっつける働きがあり、"A of B"で「AのB」あるいは「BのA」という意味になります。"of"の前後どちらから訳してもOKなところがポイント。日本語に直してしっくり来る方を採用してください。
"on"は基本的にonの前後が「くっついている」と言う意味。この場合、金星上に稲妻が「くっついている」状況を指していて、「金星上の稲妻」となります。
単語の意味は、文脈から類推するのですが、コレも追々勘所の掴み方を書いていきたいと思います。
で、記事本文は以下のとおりです。
Given that lightning on Earth isn't shy about attracting attention, it might come as a surprise that the phenomenon has been hard to detect on Venus, especially because spacecraft have visited our sister planet more than 30 times.
で、まずは文の捉え方として必要な観点を書きます。
・品詞は動詞、名詞、形容詞、副詞の4つ
ということです。これは「単語」単位だけではなく、「複数の単語のかたまり」に対しても適用できるようにするのが大切です。単語をそれなりなかたまりで捉えることが出来るかどうかが、英文解釈の上では重要です。追々解説していきたいと思います。
で、最初の"Given that"ですが、辞書を引くと
「━━[前][given+[名]/given that節]((文))(推理・推論の基盤として)〈…が〉与えられたとすると, 〈…と〉仮定すると, を考えれば, ということであれば」
とあります。ここで、「かたまり」を考えると、"Given that 〜,"です。","までがかたまりであると覚えて置いてください。100%そうだと言うわけではないのですが、そういう場合は出てきた時に指摘していきます。
ちなみに、今回は辞書はネット上で使えるものを基本的に利用します。
ここでは、yahoo辞書を利用しています。
http://dic.yahoo.co.jp/
"Given that"の"that"は、節を導く接続詞ですが、あんまり難しいことは考えないで、「主語と動詞を導くもの」と考えてみてください。そんなワケで、"that"節の中に主語と動詞を探していきます。
that節の中は、"lightning on Earth isn't shy about attracting attention,"です。その中にまずは主語(S)と動詞(V)を探していきます。このとき、まずは動詞を探すことから考えていくといいと思います。ざーっとさがすと"isn't"があります。これが"is not"の略であることがわからない人は相当重症ですが、それはわかっていることととして、"is"が大事です。
"is"は動詞としてしか使えません。他の品詞ではありえない単語です。こういう見方が大事です。
・動詞としてしか用いない単語を知っておく
これは大事。例えばどういうのがあるかというと、助動詞付きの動詞とか、3人称単数現在形とかいろいろありますが、また別の機会にまとめていきたいと思います。
で、動詞をつかまえたら、今度は次のように乱暴に考えます。
・動詞の前は全部主語
相当乱暴ですが、第一感としてこのように考えるのは結構便利です。この場合はその節の始まりである。"that"より後ろの部分です。と言う事は、"lightning on Earth"が主語ということになります。
これは、地球(Earth)での(on)稲妻(lightning)となります。
次にこの後ろを見ます。
"isn't shy about attracting attention"
ですが、"isn't"だけで見てはいけません。そのうしろ、"shy"に注目です。「be動詞+形容詞(+前置詞+名詞)」というかたまりを考えてください。
この場合は、「be動詞(isn't)+形容詞(shy)+前置詞(about)+名詞(attracting attention)」となります。さらに、"shy about"というかたまりが大事です。
辞書の"shy"を引くと、
「(…に)気が進まない, (…を)いやがる;(…に)用心深い((of, about ...));((複合語))…をいやがる[こわがる]」
更に用例として、
・ be shy about contradicting one's superiors
上司に逆らうのをはばかる
があります。ここでは、"not"がついて、「about以下について憚らない」ということになります。
次に、"attracting attention"を考えます。コレも結構大事な所。
doing+名詞の形です。この場合、考え方は二つ。
doing+名詞
・〜する(doing)名詞
あるいは
・名詞を〜すること
のどちらかです。両方の可能性を考えられるようにしてください。
例文では、次のようになります。
前者なら、「ひきつけている(attract)注目(attention)」、後者なら「注目(attention)をひくこと(attract) 」です。この場合、後者の方が日本語としてしっくり来ます。
以上から、"Given that lightning on Earth isn't shy about attracting attention,"の訳は、
「地球での稲妻は注目をひくことを憚られないことを考えれば」となります。
(以下続く)




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